東京都教育委委員会は平成25年8月27日付で「公共のマナーの遵守と情報モラルの指導の徹底について」を、都立高等学校長宛てに通知しました。通知の背景には、都立高等学校に在籍する女子生徒2名が、都内の宅配ピザ店において迷惑行為を行い、その写真をインターネット上に公開して、同店に多大な迷惑をかけるとともに、都立高等学校の信用を著しく失墜させる事件が発生し、報道されたことがあるようです。
通知の中では「生徒の規範意識を高め、法及び社会のルールやマナーを守るとともに、正しく善悪を判断し的確な行動ができるよう、二学期始業式等において、全校生徒を対象に社会生活上のルールやきまりを守り、自らの行動に責任をもつことや、インターネットを適正に利用することについて指導すること」や、「公共のマナーに反する問題行動や迷惑行為は、周囲や他人に多大な迷惑をかけるばかりか、損害賠償責任や学校の信用失墜など社会的に計り知れない責任を負うことになることなどについて具体的に理解させる指導を徹底すること」などが指示されています。
都教委の指導内容からも分かる通り、子どもたちにはインターネットが実際の町と変わらないという意識を持たせることが急務であるように思います。インターネットは日本人だけでも九千数百万人、国際的には二十数億人が利用して、交流を図っている世界な訳ですから、自分がネット上で発信する情報は、それらの人たちに瞬時に拡散する可能性をはらんでいるのだということを理解しておかなければなりません。まさしく、チューブから出た歯磨き粉はチューブに戻すことはできないようなものです。
更に最近しばしばメディアで取り上げられている「悪ふざけ投稿」については、自分が面白いと思ったことは他人も面白いと思ってくれるという錯覚が災いしているようにも感じます。当然のことながら情報に対する反応は、千差万別であり、自分が想定すらしないような反応が返ってくることも十分にあり得ることを、子どもたちに理解させる必要がありそうです。
参考:「公共のマナーの遵守と情報モラルの指導の徹底について(通知)」の発出について(東京都教育委員会)
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr130827.htm