H25年下半期のコミュニティサイトに起因する児童被害の事犯に係る調査結果について(警察庁)

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警察庁から「コミュニティサイトに起因する児童被害の事犯に係る調査結果について(平成25年下半期)」がリリースされました。

いつもながら、気になる数字を幾つかピックアップしてみたいと思います。

①サイト上で被害児童と知り合ってから犯行へ及ぶまでの日数

「当日又は翌日」が20.6%で、昨年度と比較すると3.5%上昇。「当日から1か月」の割合を合計すると72.4%で、昨年度と比較すると3.6%上昇。犯罪者が児童生徒と出会ってから犯行へ及ぶまでのスピードが速くなっている様子がうかがえます。ネット上で知り合った人と実際に会うことに対する抵抗感が低下している可能性、また、スマホと無料通話アプリの組み合わせにより、以前よりもスピーディーにコミュニケーションができるようになっていることなどが、この件に大きく影響しているように見受けられます。我が子がSNSを使用している場合、「ちょっと友だちと合ってくる」と出かけた先に、誰が待っているのか注意を払わなければなりません。

②メールアドレス等の連絡方法

昨年度までは「ミニメールに記載」が56.2%で一位。「サイト内のプロフィール・掲示板に記載」が30.1%で二位という状況でした。これが今回の調査では、「サイト内のプロフィール・掲示板に記載」が52.1%で一位、「ミニメールに記載」が39.0%で二位となり、たった一年で連絡方法の上位二位が一気に逆転しました。犯罪者たちが児童生徒と連絡先をやりとりする手間を省いている様子がうかがえます。SNS上で積極的に自分の連絡先を公開しているユーザーに対しては、一層の警戒が必要であることを子どもたちに教える必要がありそうです。

③犯行動機

毎年のことですが、犯罪者の犯行動機は「児童との接触目的」が96.1%で、このうち「児童との性交目的」が72.3%という状況です。自分がいるSNSの世界には、自分とは全く異なる目的を持つユーザーや、自分が想像すらできないような目的を持つユーザーが多数混在していることを子どもたちに教えていく必要があります。

 

欧米にはSNSのことを「性犯罪者のショッピングモール」と表現してはばからない専門家もいるようです。周りの友だちが使っているから、便利だからという理由だけで、子どもに利用させて良いものなのかどうか? また、もし利用させるのであれば、どんな心構えやルールが必要なのか?しっかり考えていく必要があります。